カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

Balatro

プラットフォーム:Steam
ジャンル:デッキ構築/ローグライト
評価:10.0/10.0

ポーカー×ローグライク/ライトを謳う意欲作。

ポーカーの見た目をしているが実のところ中身は純粋なデッキ構築ローグライト。
手札から捨てて新しく山札から引くディスカード、5枚選んでポーカーの役を成立させチップ×倍率の得点を得るハンドのプレーを規定回数まで繰り返してボーダーラインを超える流れを1ラウンドとし、3ラウンド=1アンティのセットを8回攻略するとゲームクリア。

「ジョーカー」は一般的なトランプとは大きく異なり、実質的にデッキ構築ローグライトにおけるレリックにあたり様々な効果を持っている。基本的に5枚まで保有することができ、各ラウンドを終えると出現するショップで買い物をして入れ替えていく。

デッキはトランプの13枚4スートが基本ではあるものの、タロットやスペクトルといった消費アイテムの特殊効果によって、役の基礎点・基礎倍率が向上したり、各カードへ様々な効果が付与されたり、あるいはカードそのものが変化・増減したりと可能性は幅広い。ほぼ特定スートだけで構成するようなドリームデッキも引き次第では実現可能。

特筆すべきは何と言っても全150種類(一部アンロック必要)の様々なジョーカーとそれらのシナジーの豊富さ。1つではあまり役立たない効果のジョーカーも、特定の組み合わせだと突然輝かしい活躍を見せたりする。

思うのは、やはりローグライク/ライトの強化要素はピーキーでなければいけないということ。ぶっ壊れた性能のジョーカーがあれば当然それを集めるのが「答え」になってしまうのも事実だが、それでも手持ちのカードで最大打点を目指すならどんな組み合わせがいいかを試行錯誤する気概を持てるのは、ピーキーな要素で溢れていて「可能性を追求することに楽しみを見出だせるから」だ。
「明らかな強カード/弱カードがあると理解できるまでの過程」が大いに楽しめるなら、そういったものの存在自体はまったく問題ではない。

Shotgun Kingもそうだったが、既存の歴史あるゲームを現代的要素でリメイクしたローグライト、おおむね尖っていて良い。作る側も手垢がつきまくっている題材だと自覚があるからこそ逆に好き放題できるんだろうか?

 

全デッキ解放、1デッキで全難易度クリアまでやっての感想です。

 

よかったこと

・ポーカーの役など飾りと言わんばかりのぶっ壊れたジョーカー能力の数々、それらを組み合わせてぶっ飛んだ得点を目指す試行錯誤の楽しみ。ジョーカーアンロック条件を満たすほど更に広がっていく。
・ジョーカーの引き次第ではワンペアどころかハイカードでもゲームクリアできる尖りっぷり。
・おそらくデッキ傾向も踏まえた上で襲い来る、絶妙なボスの難易度。擦ってる役があり資金も潤沢な時に限ってその役使うと資金没収、なんてのが来たりする。
・現実のポーカーではありえない役の成立条件を探す楽しみ。
・一撃でボーダーラインを超える役を成立させると点数と倍率が燃え上がる粋な演出。
・クリアするほど解禁されていく各種デッキ性能のユニークさ。2スートしか無いデッキなども存在するので、ますます尖った戦略を試したくなる。
・キャラクターや世界の設定など余計な要素が存在せずゲームの面白さだけで殴ってくる潔さ。無いに等しいがまったく無いわけではない(ジョーカーのキャラが皮肉っぽく喋る)くらいの丁度いい世界観。
・通常プレイよりもさらに特殊な状況でのクリアを目指すチャレンジモードも搭載。
・上記すべてが一体となってもたらされる圧倒的中毒性。

 

微妙なこと できれば改善してほしいこと

・ステーク(難易度)を上げると運ゲー度が増しすぎるようにも感じる。特にパックの値段が上がり続けるステークはどうかと…。
・ゆえに序盤の引きやブラインドスキップによって得られるタグ次第でランのやり直しが頻繁に発生するのだが、メニューから選択するのが面倒なのでショートカットが欲しい。

 

一撃2兆点、気ん持ちイィ~