カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

世界樹と不思議のダンジョン ファーストインプレッション

40時間ほどプレーして一応のエンディングを迎え、クリア後のダンジョンに潜っているところで ようやく重い腰を上げファーストインプレッションを書く気になりました。 正直こんな文章書いてないでさっさと続きやりたいと思うくらい面白い。

一言で言うなら世界樹の迷宮シリーズの迷宮部分を不思議のダンジョンにしたゲーム」。 世界観はあくまでも世界樹ベースなので、世界樹が好きならまず買って損はしない。 不思議のダンジョン好きにとっては「最近の不思議のダンジョンはレベル継続ばかりで何だかな…。」と言いたくなる所もあるかもしれないが、そう食わず嫌いをせずに一度遊んでみて、と言いたい。 双方のゲームのオイシイところをいいとこ取りしたようないい感じの出来になってると思います。

従来の不思議のダンジョンと大きく異なる点は、「ダンジョンが一本道ではなく蟻の巣状に形成される」ため、階層の昇り降りは基本的に自由なこと。後半のダンジョンでは行き止まりのルートなども出てくるので、周囲の階層構造が見渡せる「砦」をダンジョンの要所に作成して潜って行くことが重要となる。 さらにその砦の樹海磁軸からダンジョン探索を再開できたり、4人までキャラを派遣することができ、階層を移動する強敵D.O.Eを待ち伏せしてパーティキャラ含め8キャラでの防衛戦を展開する面白さもある。

良いところ

ショートカット機能の充実

ショートカット機能の凄まじい充実ぶり。 L押しながらRでメンバー切り替え、さらにメンバーごとにL+X、L+Y、L+A、L+上、L+左、L+右の合計6箇所に自由にスキルを登録することができるので、頻繁に使うスキルを登録しておけばメニューを開いていちいち選ぶ煩雑さはほとんど解消される。さらにL+Bで足元を見る、L+下から仲間への号令、Yを押しながらRで周りを見渡す、などとにかく細かくショートカットが設定されているので、アイテムを選んで使う以外の事は大体メニューを開かなくてもできるようになっている。 これはもう是非とも今後の不思議のダンジョンシリーズにも引き継いでいってほしい最高の仕様。

TP(MP)システムと不思議のダンジョンの見事な融合

不思議のダンジョンシリーズではターンが過ぎればHPが回復するため、「極力回復アイテムに頼らずに、ターンを消費してHPを回復する。」のが定石で、その代わり0になるとHPがどんどん減っていく満腹度(本作でいうFP)が存在するため、この2つのポイントのバランスをいかに取っていくかというのが根本的なゲームシステムの1つです。 そこに世界樹シリーズのTP(ドラクエ的に言うならばMP)の要素が介入してきた。消費して強力なスキルを発動できるが有限であり、これを回復させるのは基本的にどんなRPGでも少々困難になっているもの。 この回復がアイテムに頼るしか無いものだとしたら、必然的にその回復アイテムの出現率を上げなければならないし、自然回復するものだとしたら要はFPを保つ食料さえこさえておけばTPは無限に等しくなってしまう。

本作でこれを解決しているのがダンジョンの床に発生する「琥珀床」という黄色いマス。パーティキャラの誰かが1度乗ると普通の床に戻るが、その際に琥珀床に乗ったキャラはHP・TP・FPが1程度回復する。 主に部屋の中や通路に一定数発生するようになっており、一度の探索中には1フロアの琥珀床は再度訪れても復活せず、フロアを往復してTP回復するといったことはできないため、回復アイテムの持ち込みこそ可能ではあるが、誰に琥珀床を踏ませるかを考えるようなリソース管理の面白さも生まれている。

世界樹過去作からのアレンジサウンド

各迷宮やボス戦など随所で過去作の曲のアレンジが起用されている。 なかなか「わかってる」選曲だと思います。ストーリー上のラストダンジョンの曲は痺れた。

イマイチなところ

ダンジョンのフロア生成や敵配置のバランス

間違いなく意図的な難易度調整と思われるが、階層を降りた時にいきなり敵5~6体に囲まれている事がしばしばある。しかし蟻の巣状ダンジョンの仕様ゆえに階段の昇り降りが自由なため、囲まれていた場合一度階段を登る→再度降りる、とすることで簡単にやり過ごせてしまう。 囲まれている場合はアイテム採取ポイントや床落ちアイテムが複数あったりするがこのやり過ごしを行うと消えてしまうので、ご褒美を目指すならば殲滅を頑張れということなんだろうが、正直そこまで良いアイテムが落ちている事もないのであまり頑張るメリットも感じられず、「また囲まれてるわやり過ごし面倒くさいなー」程度で終わってしまうのが関の山。

フロア生成に関しては若干通路が多くなりやすい印象。通路を横断してフロア内を徘徊するような敵が少ないのと、ダンジョンの深層まで潜らないと通路が暗闇にならないため、通路を一歩一歩警戒しながら進むような緊張感はまるで無いのは少々残念。

ボスが弱い

ATLUSの名を冠するゲームとして本当にこれで大丈夫なのか?って思うくらいちょろいです。 近接範囲攻撃を行ってくるボスは多いものの、遠距離で強力な攻撃をしてくるボスは少なく、反面こちらはガンナーやアルケミストがいれば勿論のこと、いなくても印石(不思議のダンジョンシリーズでいう杖)でザクザク遠距離攻撃出来てしまう。2度や3度死んだところで復活アイテムが割と頻繁に拾える上に店でも600yenなどという破格で安売りされているので全滅の危機はそうそう訪れることはない。 さらには加速の印石というチートのようなアイテムまでクリア前のダンジョン内のそこら中に落ちているため、仲間同士で直線上を位置取りつつお互いに加速をかけ合いながら遠距離攻撃をしているだけで楽勝です。 こういうのはもっと不思議の専売特許でしょうよ…。

アトラス側が「簡単すぎるが大丈夫か?」 チュンソフト側が「難しすぎるが大丈夫か?」って言ってたという話、出処がどこかは知らないけど流石にチュンソフト側がこれを難しすぎるなんて言ってたとは到底思えないんですが(笑) まあ、お互いのシリーズに馴染みのない人にも楽しんでもらえるようにとかそういう考えからか、意図的に難易度を下げているものだと思われます。クリア後のダンジョンに期待。

 

こんなとこですかね。 昔の不思議のダンジョンが好きな人には少々物足りない所もあるのは否めないけれど、このようなコラボレーションタイトルがこれほどにしっかり遊べる出来になるというのはなかなか稀だと思います。 「1000回遊べる」は誇張ではないと信じたい!

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品薄なのか業者が値段を吊り上げてますが、無難にダウンロードで買うか入荷を待ちましょう。