カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

Game of the Year 2016

簡単な紹介や感想を添えつつ、今年プレイしたゲームの超個人的ランキングです。 あくまで自分が今年プレイしただけでありゲームの発売年は今年に限りません。

5位 Splatoon (WiiU)

もはや説明不要のインク塗り合いゲーム。

流石にプレー人口が減っているのは確実だがマッチングに全く難はなく、第二回スプラトゥーン甲子園も予選の真っ只中、一体いつまで遊べるんだろうか。1年半以上もほぼ毎日起動しているゲーム(しかも据え置き機)なんてここ数年どころか十年単位であった覚えがない。

Switch版はやりたいと言っている人がちらほらいるが、どうせWiiU版で鍛えた廃人に揉まれる事になるのは確実なのだから、プレイ人口が減りつつあって野良のレベルも下がってきてる今のうちにWiiU版で鍛えることをオススメする。

4位 人喰いの大鷲トリコ (PS4)

少年を操作し、猫と鳥を掛け合わせたような風貌の生物トリコと共に謎の遺跡を脱出する。 まさかこのゲームが発表されてから発売されるまでに、グルメ漫画の方のトリコが連載開始~連載終了するとは一体誰が予想しただろうか…。

トリコの動物としての仕草の完成度がとにかく素晴らしい。狭い所に首を突っ込んだり、何をしてほしいのかわからなくて小首をかしげたり、水から上がって体を震わせたり…。こちらの指示は伝わってるはずなのになかなか思うように動いてくれないこともあり、動物(特に犬猫)を飼ったことがある人なら「あるある」となってしまう。意図してか否か、そんな所まで再現されているのもあり、プログラムだとわかっていても情が移ってしまう。

そんなトリコと徐々に心が通っていき何となく絆が生まれるのを感じながら、広大な遺跡群からの脱出を試みるわけだが遺跡のディテールも凄まじい。ギミックの都合上進行ルートはほぼ一本道だが、マップとしては全て繋がっていて、以前通った場所を後から一望出来るスポットがあったりして、これが絶景。高所にぶらさがる鎖と細い鉄骨を乗り継ぐような場面では、本当に自分がそこにいるかのように思わず身体がすくむリアリティと没入感がある。

上記のような観点でゲームというよりはアート寄りの印象を受けるため、ワンダと巨像のようガッツリと遊べるゲームに期待する人には合わないかもしれないが、PS4を持っているなら遊ぶ価値は充分にあると思う。およそ10時間前後でクリア出来るが、代えがたい体験が出来るはず。

ちなみにPS4Proでないと処理落ちするという話があるがこれは事実。1周クリアするまでに3~4回発生した。ただ発生したところでさほどゲームの進行に支障はきたさなかったし、ここまでに語った有り余る魅力の前には些細な事のように感じた。アップデートで対応可能なのかどうかわからないが、今後修正されることに期待したい。

3位 Undertale (Steam)

これをやらずして2010年代のRPGは語れないと言っても過言ではない。 MOTHERのような不思議さ・不気味さと温かみを併せ持つような世界、moonのようなアンチRPG要素を持ったゲームが好きなら頼むから何も言わずにやってくれ。

このゲームの内容については多くは語らない。未知を冒険する不安と期待。出会いと絆。個性豊かなキャラ達に心揺さぶられる瞬間。ユーザーによる考察・解釈の余地の残された設定・世界観。そしてそれらを完璧なまでに演出するメロディアスで印象的なBGM。全てが渾然一体となってプレイヤーを待っている。細かい話はいいからとりあえず遊んでくれ。

なお本作はマルチエンディングであり、一部のルートはかなりの難易度なので、難易度至上主義なゲーマーでも楽しめる要素が用意されているとだけは言っておく。

日本語化は2016/12現在は公式には行われていないが、非公式の日本語化パッチがある。有志が素晴らしい翻訳をしてくれているので、英語はちょっと…という人でも安心。というかスラング山盛りでちょっとやそっと英語が読める程度では話にならないので素直に日本語化するべし。公式の日本語化やコンシューマ機への移植は検討はされているようだが、いつになるかは未定なので気になるならさっさとSteamでプレイするほうが良い。

"ゲームを購入しているならば二次創作物の有償販売を物によっては許可する "といった開発者Toby Foxによるガイドラインが明示されるなど線引きがハッキリしているおかげか、同人活動も徐々に盛り上がりを見せており目が離せないシーンとなりつつある。

参考:Undertale同人活動ガイドライン

2位 CRYPT OF THE NECRODANCER (Steam/PS4/PSVita)

リズムゲームローグライクゲーム。 一見奇抜な組み合わせに見えるが正真正銘神ゲー神ゲーという単語は安易に使いたくないが、「永遠に遊べるのでは?」と感じさせるようなボリュームと非の打ち所の無い完成度を前にすれば、そう言わずにはいられない。

不思議のダンジョンシリーズのように階層構造のダンジョンを探索し、武器・防具・アイテムを拾い、深層のボスを倒すというコンセプトは変わらないのだが、自分が動くまで敵は動かない同シリーズと異なり、「一定のリズムに合わせて自キャラを動かし、また敵もそれに合わせて動く」のが最大の特徴。ゲーム性は似て非なるものとなっており、ネクロダンサーはリアルタイムでの対応力が問われる仕上がりになっている。

「理不尽な死」がこのゲームにはほぼ無いのが最も異なる点。不思議のダンジョンシリーズは敵の配置や拾えるアイテムの運によってはどうにもならずゲームオーバーとなるケースも少なくない。ネクロダンサーは的確に行動すればまず敵からダメージを受けることすら無く、罠も全て見えているため不確定要素が限りなく少ない。ただその的確な行動をリズムに合わせて行うというのが当然ながら極めて難しく、経験から定着した地力がモノを言うため、プレイヤーによって上手い下手の差がハッキリと出る。

何度も何度もやり直すことになるため、その中でアイテムの効果、敵・罠の性質、その他様々なゲームの構成要素を知り、それを行動に活かすことで上達していくのを面白いと感じる人向けのゲームである。繰り返しと試行錯誤による上達ありきの作りであるがゆえ難易度は決して易しめではなく、高難易度なゲームの部類に入る。

性質の異なる主人公10キャラが用意されており、最難関のキャラは2016/12時点で全世界で解禁者が100人足らず、クリア者は10人前後と、ここまでやるかという難易度とボリュームは値段からすると充分過ぎるほど。

ちなみにPS4/PSVitaスパイク・チュンソフトが移植しており片方買うだけで両方遊べるクロスバイという親切設計になっているが、PSVitaでは一部キャラで遊ぶ場合に画面内の情報量次第では処理落ちするケースがあるため、PS4を持っていない場合はPC版で遊んだほうがいい。

ここまで書いておいて何故これが2位なのかと自分でも思うが、1位は本当に個人的趣味にジャストでハマるゲームに出会ってしまったからである…。

1位 Hyper Light Drifter (Steam)

ゼルダの伝説スタジオジブリ作品等、様々な要素からのインスパイアを感じる正統派見下ろし型アクションゲーム。 病に冒された主人公が治療方法を探すために旅をするという背景だが、それは本当に病なのか?と思わせる意味深な演出と回想により一気に世界に惹き込まれる。


どこからどうみても巨○兵リスペクト かなりダークな世界観

ゼルダの伝説風のアクションではあるが謎解き要素はそこまで多くなく、手応えのあるハードな戦闘と隠し通路の探索がメインとなる。

戦闘に関しては、ダッシュで敵の攻撃をかわしつつ近接用の剣と遠距離用の銃を使い分けて戦うもので、戦略性も爽快感もある仕上がり。難易度は高めであり、攻撃時の隙やダメージを受けた際の硬直に敵から攻撃を一気に叩き込まれてゲームオーバーとなることもしばしばあるので、モンスターハンターの如く敵の隙を突くヒットアンドアウェイが基本となる。雑魚を全て片付ける必要のあるゾーンでは、思わず笑ってしまうような数の雑魚が湧き出て一斉に襲ってきてそれを許してくれない事もあるが、捌き切った時の爽快感は格別。ボスも一筋縄ではいかず、パターンを見極めて何度もやり直した果てのギリギリの勝利は達成感に満ち溢れている。

いたる所に用意された隠し通路は基本的には主人公のアイテムを増やしたり技を覚えたりといった強化に使うためのギアビット他の収集要素が隠されており、それとなく匂わせているような通路もあれば、こんな所に…!と頭を抱えてしまうような隠され方をしている通路もある。スーパーファミコン辺りの時代を想起させてくれる、しかし決して古臭さは感じない美麗なピクセルアートの世界をくまなく探索する上での絶妙なスパイスと言える。スーパーメトロイドでミサイルタンクを探し回っていたような人には間違いなく刺さるはず。

ダンジョンは東西南北4つのエリアで構成されており、やや制限はあるものの幾つかの中から好きなところを選択して探索することが出来る、ゼルダの伝説ムジュラの仮面に近いスタイル。いずれも地上と地下に分かれていて、地図でおおよその位置はわかるが、ピンポイントでの現在地まではわからないため、地図に描かれた地形の形状と今自分がいる場所とを照らし合わせて進むことになる。

世界観については、驚くべきことに一切の言語がゲーム本編中に存在しない。ストーリーは断片的な主人公の回想から想像するのみで、主人公が巡る先で出会うキャラクターとの会話は全て絵で情報を貰うのみとなる。それゆえに曖昧な部分も多いが、前述の情報や敵の見てくれから、この地域ではこういう出来事があって今こうなっているのか…という想像で補完する事となる。ただ、自分の想像力や考察力が至らない部分もあるのかもしれないが、全体を通してのストーリーについては残念ながら説明不足な感も否めなかった。

BGMは退廃的な世界を象徴するようなミニマルサウンドが多く、メロディのハッキリした曲は少なめ。その作風もまたこの世界に華を添えることに一役買っている。

安々とクリアさせてくれるようなものではない手応えのある難易度とやりこみ要素、爽快感溢れるアクション、想像の余地溢れる世界観、ずっと浸っていたくなる懐かしさと美しさの同居するピクセルアート…。このゲームが影響を受けているであろうものはいくつも挙げられるが、オマージュ・リスペクトの域に留まらない唯一無二の世界が創り上げられていることは保障する。