プラットフォーム：Steam
ジャンル：リズムアクション
評価：10.0/10.0
リズムに合わせての操作がアドバンテージとなる、ステージクリア型3Dアクションゲーム。
ステージ内を移動して目的地を目指し、途中の戦闘ごとに評価が行われる、ベヨネッタなどの同系統3Dアクションに通ずるリニアな構造。
特筆すべきは当然リズム要素。リズム×アクションというジャンルはネクロダンサーを皮切りに数々世に出たが、「リズムに合わせることで得られるリターン」はゲームによって異なる。中には常にリズムに合わせる事を強要されるゲームも一定数あり、それらはとても窮屈な印象だった。
「リズムに合わせるといい感じに動けるが常に合わせ続ける必要はない」という絶妙なバランス感を3Dアクションと掛け合わせたのが本作最大の特徴であり功績とすら言ってよいと思う。
また同系統3Dアクションにありがちな「2ボタンの押し分けコンボ」の入力成功/失敗のわかりづらさを、この「リズムに合わせて動く・戦う」という特徴が入力のガイドラインとして自然に存在しており、タイミングの不明瞭さを取り払ってくれているのも素晴らしい。これこそがジャンル同士の掛け合わせで生まれる相乗効果だと感じる。
アメコミ調のアートワークと世界観、リズムに合わせる必要性もさりげなく物語に組み込んだ古典的ながら王道から踏み外さないシナリオ、そんなシナリオを支える癖少なめでストレートなキャラの言動、長々とムービーを見せられる事なく遊ぶ時間が重視されたゲームテンポ、ノレるBGM、演出とBGMの小気味良いシンクロ、わかる人にはわかるレベルで随所に仕込まれた古今東西サブカルコンテンツのパロディ、一貫したコンセプトの元にあらゆる部分が磨き上げられていると感じられる逸品。
これこそあらゆる要素の一体感ある「総合芸術的ゲーム」だ！
