カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

シアトリズム ファイナルバーライン

プラットフォーム:Nintendo Switch
ジャンル:リズム
評価:10.0/10.0

ファイナルファンタジーの楽曲を演奏するシアトリズムシリーズ最新作。

版権モノリズムゲーと侮ることなかれ、ありきたりなリズムゲーム+既存IPにガワを被せただけのような雑な作りでは決してない。入力はタッチ・8方向スライド・ホールドの3つを使い分ける方式で、3DS版では主にタッチペンを使いそれだけで完結できるライトな作風だったが、アーケード版ではボタン+専用のスライダー操作へと移行し、同時入力のバリエーションも増加した。本作は基本的にアーケード版に倣いつつ、いくつかの譜面はコンシューマーゲームコントローラでの操作で無理がないように最適化されている模様。

編成するキャラクターのHPの総計によってどれくらいミスすると途中終了するかが決まったり、回復アビリティを持つキャラを多く編成すれば難曲もクリア可能であったりと、キャラクターの育成・編成をするRPG要素がある。

楽曲プレー中には、編成したキャラクターにセットしたアビリティがプレーの巧拙に応じて使用され、フィールドを進んだり敵を倒していき、楽曲終了後には道中で獲得した宝箱をオープン。収集要素である「コレカ」や一部能力にバフをかける「召喚石」が入手できる。召喚石はマルチプレイで一緒に遊んだプレイヤーと交換も可能。

ファイナルファンタジーシリーズの各作品を追体験する「シリーズクエスト」がメインモード。各ステージにクエストが設定されており、敵に一定以上のダメージを与えたりボスを一定時間内に倒したりといったRPG的攻略要素がある。クエストはクリアしなくとも楽曲さえクリアすれば次のステージへ進むことができる。

3DS版はゲーセン育ちの音ゲーマーには難易度がまったく物足りなかったのだが、3段階しか無かった難易度が4段階目の「超絶」が設けられるなどアーケード版の時点で難易度上限は上昇しており、本作はその流れを引き継いでいる。

楽曲解禁のためにはシリーズクエストの攻略が必須なので最初から全曲遊ぶことはできなかったり、レーンカバーが何故か隠れきっていなかったり、倍速が2倍までしかなかったり、練習モードで特定箇所の反復は可能なものの速度を落とせず効率的な練習ができなかったり、重症音ゲーマーにはシステム面で若干かゆいところに手が届いていないところもあるが、それをさておいても圧倒的な楽曲数・下から上まで充実した難易度・RPG要素の遊びごたえなど、3DS版から10年以上にわたり同一の開発会社により制作されてきたノウハウを活かした、最終作(らしい)にふさわしい仕上がり。

体験版だけで30曲100譜面近く遊べてしまうので、遊んでみて合うかどうかをじっくり見極められるのもユーザーに優しい。

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