発売されましたね、スプラトゥーン。 本当に面白すぎて止め時が一切存在しない凄いゲームだと痛感しています。 あまりアクションゲームが得意ではない妻まで手を出し、今ではもうランク10を超えてガチバトルでインクでインクを洗う骨肉の争いに参加…することはなく、のんびりとナワバリバトルやヒーローモードを楽しんでいるのを眺めています。
FPSやTPSといったこの手のゲームは物凄く上手い人達が徒党を組んで殺伐とやり合っているイメージがどうしてもついて回るためゲーム初心者には敬遠されやすいことと思いますが、そういった層をポップなイメージや従来のそれらでは無駄・タブーとされてきた行動(弾の無駄撃ちなど)が無駄にならないといった革新的なアイデアで彼らを引き込んだという所までは、既に多くの方が語っているとおりです。
しかしそれでも4vs4でドンパチやり合って、勝ちか負けか、シロクロつけるゲームであることに変わりはないわけで、負けが込んでしまうと「なんかもうやっても面白く無いな」と感じてしまう人が出てきてもおかしくないのですが、不思議とそういった人は少なく、「負けると悔しいけど面白くないとは感じない」という人のほうが多いように見えます。
このワケはモチベーションを下げないゲームシステムが徹底的に仕組まれているからだと感じました。イカにその内容を記していきます。
累計勝敗数・勝率の表示がない
プレイヤーの今までの成績がゲーム上で参照できるなんてことは当たり前になって久しいですが、こと勝ち負けのあるゲームでコレの表示を実装していないゲームなんてのはほぼ無いんじゃないかというくらい「見れて当たり前」として浸透している要素です。 しかしこの数字というのは実はとても恐ろしいもので、勝ちが多くなるような人にとっては良いのですが、「勝ちより負けが多い人」にとってはモチベーションを下げ続ける悪魔以外の何物でもありません。特に勝率ってのは常勝不敗以外に「下げない方法」が存在しないですからね。
スプラトゥーンにはコレがありません。 要するに「勝っても負けても気にすんな、楽しめ。」ってことです。
じゃあ勝って数字を上げたい!という人の気持ちはどこに発散すればいいんだよ!という問いに対しては「チョーシメーター」「ガチマッチ」という2つの回答が用意されています。
「チョーシメーター」については勝てば数字がプラスされ、負けると少しマイナスされる、要はどれだけ勝利出来ているかの指標のようなもので、4時間に1回のステージチェンジごとにリセットされます。 その4時間内での成績優秀者は公式ホームページに一定時間名前が掲載され表彰されます。 ここに名前を載せるには4時間ぶっ通しで勝ち続けるくらいの意気込みが必要だと思いますが、そういうものを追い求める人にはさぞかし良いモチベーションになっていることでしょう。
「ガチマッチ」については語るに及ばず、勝てば上がり、負ければ下がる、ウデマエという要素が存在します。 ナワバリバトルと違ってフレンドと合流して遊ぶことが出来ないため、Skypeで話しながら連携したり、片方を勝たせるといった八百長は不可能、純粋にランダムマッチングしたメンバーで、「どんな人と組んでもチームを勝利へ導けるかどうか」の指標となっています。
自分の貢献度がわかりやすく負けが無駄にならない
いやオレツエーとかそういうことが言いたいのではなくてですね。
勝ちチームには300pのボーナスが入るので、勝ちチームの皆さんの塗った面積でのポイントというのは実質上から1359p、759p、752p、403pです。
はいもうお分かりですね。 負けチームの1位と2位の方は「まあ負けはしたけど向こうの2位3位より塗ってるしこっちのが仕事したわ~。向こうは1位が強かっただけだわ~。」と考えることが出来るわけです。 さらに負けチーム3位、4位の人も「向こうの最下位よりは仕事してるしまあいっか。」となるわけです。 オマケに言えば勝ちチームの2位3位4位の人は「あまり塗れなかったけど1位が塗りまくれたのはオレらがしっかりキルして相手を足止めしたからだぜ。」とまでなります。
勿論こういう目に見える都合の良い数字に満足するばかりで自分のプレーの反省をしなければ上手くはなれないってのは当たり前の事なんですが、どんなレベルの人が勝っても負けても充足感を享受出来る要素が大体ある、というのはこれメチャクチャ凄い事です。
そしてここで稼いだポイントは勝っても負けてもそのままおカネになり、ブキやギア(装備)を買うのに役立つため、「次はもっと塗ろう・もっと上手くやろう」となりやすいわけです。
何故やられてしまったのかがわかる
スプラトゥーンはTPS(三人称視点シューティング)なので、横から攻められた時でもある程度視界に敵や攻撃は入ってきますが、それでも背後からいきなりローラーで轢かれるだとか、スペシャルが飛んできたとか、「なんでやられたのかよくわからん瞬間」というのは多数起こり得ます。
ですが、やられた後復活までにかかる数秒間で相手の位置と倒された手段が表示されるようになっているため、よくある「わからん殺し」が一戦の中でずっと続くような事はそうありません。「あの攻撃はあの位置で当たってしまうのか」と学んだ上で相手の動きに合わせて自分の動きを修正するチャンスが常に与えられているわけです。
味方や相手に悪意を撒き散らす術がない
記憶に新しいところではスマブラforWiiUで自由入力できる名前欄が存在してしまうがために、それを利用して対戦相手を貶したり、煽ったりと残念なやりとりが行われているのが散見されていました。
人を不愉快にさせる行為で相手がゲームを嫌いになってしまうかもしれないという事も考えず、自分が愉快だからというだけの理由で周囲に悪意を撒き散らすような者が「ゲーム好き」だの「○○ガチ勢」だのと名乗ったりしているのは本当に片腹痛いです。廻り回ってゲーム全体にとって不利益な事だということを理解出来ないのだろうから、仕方ないのでしょうが。
スプラトゥーンにはゲーム内で文字でのコミュニケーションが取れないため、そういった人の悪意で直接攻撃されるような心配はほぼありません。 ほぼと書いたのは、任天堂が提供するMiiverseというSNSと連動しているため、それを使ってメッセージを送ってくる可能性は一応あるからです。
ただ、そもそも何故彼らが悪意をばら撒きたがるのかといえば、まずその方法が手軽であることと、何より「お前のせいで負け続けだ」とか「コイツ弱すぎwww」とかそういった事が理由なわけですが、スプラトゥーンはランダムマッチングな上にチーム編成もランダムなため、1人のプレイヤーとずっと味方だとかずっと敵だとかそういうことが起こりにくい、起こったとしてもその事を認識しづらいため、そこまでの労力を使って悪意のばら撒きを行うとは少々考えにくいです。仮にそういった攻撃を受けてしまったら、Miiverseの通報機能を使ってしっかり通報しておきましょう。
オンライン対戦のゲームだから子どもにやらせるのはどうかと思っている親御さんがいらっしゃいましたら、WiiUごと買い与えてもこのゲームに関してはほぼ心配はいらないということだけは明言しておきます。(ただしWiiU本体のペアレンタルコントロールはちゃんと設定しましょう)
去年のE3の時点からずっと話題になっていたこのゲーム、まさかここまで広まるとは思ってもいませんでした。少しでも興味があるならばWiiUごと買って遊んでも決して損はしないと思います。 他にない濃密なゲーム体験が味わいたければ、是非このブームに乗ってみてはいかがでしょうか。
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