カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

ウーマンコミュニケーション

プラットフォーム:Steam
ジャンル:アドベンチャー
評価:9.0/10.0

 

 

「無意識風紀違反」と称される、日常会話(?)に潜むセンシティブワードを探して撃ち抜くアクション&アドベンチャーゲーム

会話内容は正直無理やり感満載でめちゃくちゃ。
「センシティブワードが潜んでいる日常会話」もあるにはあるが「センシティブワードを強引にねじ込んで構築した不自然な日常会話」のほうがあきらかに多い。
だが正直そんなことはもう「そういうゲームだから」と納得の上でゲラゲラ笑いながら遊べばいい。その無理やりさを笑い飛ばしつつも意外と見つけられないセンシティブワードがあったりするのも面白い。

そしてそれだけではただの一発ネタゲームとみなされて終わってしまいそうなところ、このゲームはそうなってはいない。

無意識風紀違反を取り締まる行為が作中世界で行われることに対し、ストーリーとして一定の説得力はある上、「とある哀しみ」がテーマとなってひとつ芯が通っているなど、大いにこだわりをもって構築されたであろう世界観が素晴らしい。

また「下ネタだけのゲーム」で終わらないために、アドベンチャーゲームとしてどのような工夫すれば良いか、しっかりと考えられた上で実装されているであろうことも感じ取れる。(ただし様々なゲームを遊んでいると流石にもはや斬新とまでは言えないものではある。)

アイテム・チャプター名・実績名、隅から隅までセンシティブ要素が潜む外見・単語・文章の組み合わせで埋め尽くされたこの一貫性を「芸術」と呼ばずして何なのか。下ネタだからというだけで食わず嫌いするのは勿体ない。

一部のエンディングの到達条件がやや強引で正当な分岐とは感じ難かったのだけがやや残念だが、お値段以上の楽しさは充分にある、異端の良作。