カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

SANABI

プラットフォーム:Nintendo Switch
ジャンル:アクション
評価:10.0/10.0

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近未来サイバーパンク朝鮮を舞台に、ある日住民が一斉に消えてしまった巨大企業所有都市の謎に迫る2Dアクション。

この手のジャンルにおいては異質と言っていいほどにストーリーが重厚。表現・演出が非常に映画的で、くどい説明が少なく、キャラクターの言動への納得感も文句なし。
序盤から謎が匂わせられ散りばめられる構造なので、考察好きなら止まらなくなってしまうこと間違いなし。様々な伏線が回収される最終盤には素直に感動し、クリア後はしばらく呆然としてしまった。こういう「読ませてくる」ストーリーを俺はあらゆるコンテンツに期待しているのである…。

それほどにストーリーに重点が置かれていると肝心のゲーム部分が短くなりただ観ているだけの時間が増える心配がありそうなものだが、もちろんそういう時間も多少はあるものの、「早く操作させろ!」とはならないくらい世界観にグイグイと惹き込んでくるのが見事。

2Dアクション部分についても、シンプルでストレス少なめのワイヤーアクションが遊び心地良し。
この手のワイヤーアクション、ワイヤー操作に加えて武器照準だの射撃だのをそれぞれ別でやらせようとして操作が非常に煩雑になるゲームも数ある中、左スティックが移動とワイヤー照準を兼ね、そしてワイヤー射出が攻撃でもあるという割り切った作りが良い。
だからといって難易度が低すぎるわけでもなく、操作は簡単で爽快感もあるが、道中のギミックは徐々に増え一定の操作精度を求められる局面も訪れるし、ボスの行動パターン見極めなどはしっかりやらせてくれる辺りも好印象。
難易度調整すればHP自然回復の度合いが変わったり、イージーならそもそもダメージを受けないという救済も用意されているのでアクション苦手寄りの人でも何とかなるのではないでしょうか。

 

ストーリー、ゲームシステム、美麗なピクセルアート、劇伴的BGM、これらを映画的構造・演出が華麗にまとめあげた、同ジャンルにおいて数年に1本出るかどうかレベルの傑作と言っても過言ではないはず。
突出している部分は違えど、個人的にはCelesteに比肩するレベルと感じた。

 

難点としては、リトライ地点の置かれている間隔が若干広めでそこそこやり直しをさせられるところがあったり、死亡時のリトライまでのロードが若干長めなところ。気にはなるものの個人的には許容範囲。

またせっかく世界観に惹き込んだあと様々な要素が深堀られ解明する中盤~終盤にかけて、どこをどう読んでも一貫性の欠落した(そしておそらく翻訳作業の形態ゆえに発生してしまっているであろうことも伺えてしまう)ダメな翻訳が頻発するタイミングがあるのだけが本当にもったいない。誤字脱字もちらほらある。
頼むからしっかり売れて、ちゃんとしたとこに再翻訳してもらってくれ!!