カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

The Case of the Golden Idol

プラットフォーム:Steam
ジャンル:アドベンチャー
評価:9.0/10.0

有志による日本語化パッチ

とある黄金の像を巡って数十年に渡り起こる様々な事件のワンシーンを眺め、それらの真相を推理するアドベンチャーゲーム

ゲームの根幹部分はReturn of the Obra Dinnに近いものがある。

オブラディンと同様、一定の区切りにおいて選択肢を埋め尽くすと正解or不正解の判定は自動的に行われてしまうし、誤りが1つか2つだけの場合はご丁寧にその事を表示してくれてしまうため、余計なメタ情報無しでの推理をやろうとするとゲーム内機能が逆に邪魔になってしまう点はマイナスポイント。

だがそのマイナスに目を瞑ってもいいと思えるくらいには、ストーリーや推理内容のクオリティは高い。一見どこにもヒントが無さそうなことでも、ゲーム中のどこかしらには答えにつながる何かが開示されている。
調査できるポイントも未確認と確認済が視覚的にわかりやすくなっており、推理に使用する選択肢を一通り拾い切るまではサクサクなのも嬉しい。なお当然その後の推理までサクサクとは限らない。

人物・物・事件・世界観など、作中の要素がまったくわからない序盤のほうが相対的に難しく、話の全容が見えてきて盛り上がる後半が逆に物凄く簡単に感じてしまったのは微妙だったが、これはアドベンチャーゲーム筋を日頃から鍛えすぎているゆえかもしれない。それでもストーリー自体は大変面白いものだったので、ミステリー小説などが好きなら遊んで絶対に損はないと思う。

 

ネタバレあり、もっとも美しいと感じた瞬間の感想はこちら。

 

微妙だった部分のことはこちら。

 

1/19:DLC ランカの蜘蛛、レムリアの吸血鬼について追記

有志翻訳が追加対応されたので両方ともプレイ。本編同様に大変面白かった!
本編に出てきた要素を活かしたストーリーがお見事。

ただ一方DLCでは「どこにもヒントが無さそうなこと」について、本編よりも更に断片的な情報から深く推理させる度合いが強いと感じた。その事自体は構わないものの、それにより解答文に入力する要素が「その答えであることを推理させるのが、果たして謎として本当に面白いのか?」となってしまうような微妙な箇所が、本編よりやや多く見られた。「文章が謎になっている」というより「問題として成立させるための文章を無理やり穴あきにしている」ように見えてしまうような、やや冗長な感じ。

それでも物語全体としての面白さは文句なしなので、本編・DLCも合わせて評点の変動無し!このお値段でこんなに楽しめていいんですか?となることには変わりない、傑作推理アドベンチャー。続編も楽しみ。