カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

Sea of Stars

プラットフォーム:Steam
ジャンル:RPG
評価:5.0/10.0

CrossCodeやChained Echoesなど近年の同系統作品の台頭や、光田康典の楽曲提供も相まって鳴り物入り的雰囲気でリリースされた、90年代テイスト踏襲JRPG

良いところもあるのは事実だが、RPGにおいてストーリー・シナリオを重視する身としては残念ながら「雰囲気だけの凡作」に留まったという評価をせざるを得ない。
バトルシステム・アートワーク・BGMのテイストをどれだけ往年のJRPGに近づけても、それだけではRPGに必要なものが全て詰まっているとは言い難い。感情移入できるキャラクターと彼らが「この世界の中でしかと生きている」と感じさせてくれる言動(を促すことになるシナリオ構成)、世界で起こる事象に対する納得感のあるストーリー、そういったものがこの作品からは欠落している。

 

よかったところ

  • クロノトリガー、マリオRPGを順当にミックスしたバトルシステム。攻撃防御ともにボタン入力で強化される、位置取りによって攻撃が当たる範囲が異なったり位置取りを操作するスキルがある、ボタン入力で攻撃継続するスキルがある、など。
  • バトルの頻度は低めに調整されており、アクション要素があるゆえにバトルスピードを高速化できないことはそこまでストレスではない。
  • SFC後期を思わせるドットアート。キャラの表情、芸の細かいアニメーション、マップの描き込み、背景などいずれもかなり描き込まれており、一見の価値あり。
  • 使い回しの少ない豊富なBGM。フィールド曲がそのままバトルでも流れ続けたり、大きな場面転換を伴ったときに通常バトル曲に変化があったり、バトル曲自体が豊富だったりと気合が入っている。
  • バトルが難しく感じる人向けの難易度調整手段が豊富に用意されている。

 

微妙なところ

  • ただただ「雑」としか言えないシナリオが致命的。脚本先行型なのかどうかもわからないが「こういうキャラでこういうシーンを書きたい」「こういう90年代JRPGっぽい演出をやりたい」ばかりが前のめりになっているように見え、キャラクターの言動・作中世界で起こる事象などに対する説得力が皆無。
    比べるのも嫌な話だが「2D版ゼノブレイド3」と言っても過言ではないと思う。それくらい多くの物事が「雰囲気」だけで進行して、そのまま終わる。
  • 決して品質が低いわけではないが、キャラクターの魅力を引き出すことに関しては完全に失敗していると言う他ない翻訳。誰彼構わず「それって~~~だ!」「~~~だし!」ばかり言わせるな!!一部のNPCたちのキャラはそこそこ立っているものの、特に肝心の主人公2人のノリがずっと軽いままで、せっかく「至点の戦士」という夏至&太陽・冬至&月という美味しい設定があるにも関わらず、2人の性格にまるで差も感じられず、物語的な山場も無く、もはや主人公が2人いる作品的意味を感じなかった。
  • バトルのシステムはよいところもあるが流石に1キャラのスキルが4つしかないのは選択肢が少なすぎる。バフデバフの概念も無く、コンボ技や究極技を発動するためのゲージもバトルごとにリセットされてしまうため、特に雑魚相手にやることは序盤から終盤までほとんど変わらない。

 

遊びながら書いたネタバレありの感想はこちらから。

 

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