カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

ボードゲーム紹介:Dixit

他人の目に見えている世界というのは、自分が思っている以上に大きく異なっているものです。

Dixit_01

ゲーム概要

・抽象的な絵の描かれたカードをプレイヤー全員6枚ずつ手札として所持
語り部(以下親)が自身の手札のうち1枚に「お題」を付けて裏にして場に出す
語り部以外のプレイヤー(以下子)は、親の出した「お題」に合いそうなカードを自分の手札から1枚、裏にして場に出す
・場に出た全てのカードをシャッフルし、誰がどれを出したのかわからなくした上で表にして順番に並べる ・子は「親が出したカードはどれか」を当てるべくカードに投票する(親自身は投票しない)
・投票を開示、親は「自分の出したカードを当ててくれた人がいるが、全員に当てられたわけではない場合」に3点ゲット
・親のカードを当てることが出来たプレイヤーも同様に3点ゲット
・子が出したカードに投票があった場合、そのカードを出したプレイヤーが1投票につき1点ゲット(上限3点)
・子全員が親のカードを当てた場合は、子全員が2点ゲット
・投票開示と得点計算が終わったら場のカードは捨て札とする
・全員カードが6枚になるよう山札から手札を補充する ・以上を1ラウンドとし、親を順番に回し、30点を先に獲得したプレイヤーの勝利

「お題は単語に限らず、擬音やジェスチャーでも構わない」という自由さや、「親は全員に当てられても、全員に当ててもらえなくても得点出来ないため、具体的すぎず抽象的すぎずな微妙なお題を考える必要がある」というジレンマがミソ。 得点配分に若干改善の余地があるような気はするものの、基本的には「親が出したカードを当てる人」が最も得点できるため、「この人ならこう考えてこのカードを出したんじゃないか」といった読みの鋭い、共感性の優れた人が強いゲームと言えます。

カードの絵もファンタジックというかミステリアスというか、人によって捉え方が異なるであろう抽象的なものばかり。 プレイしていると、このお題なら絶対このカードだろう!と思って自信満々で投票したカードが「子が出したカードが親のよりもそれっぽかっただけ」だとか、あんた何でこのカードにこんなお題つけたんだよ…とツッコミを入れたくなったりとか、そういうことばかり起こるもので、感性は人それぞれと強く感じます。

・脱落者が出ない
・同ゲームの経験の多寡が勝敗に直結しない
・絶対的な上手い下手の概念が存在しない

こういった特徴は裏を返せばもっとヘビーなゲームがやりたいという人には向いていないとも言えますが、そういったゲーム漬けな人もたまには息抜きに「理屈じゃないゲーム」をやるには丁度いいんじゃないかと。 お題となる単語の意味さえ全員で共有出来るならば老若男女問わず楽しめる、非常に敷居の低い良作。 ボードゲームは人生ゲームやモノポリーしか知らない!という人の、最初の一作としても非常にオススメです。 本当に良いゲームだと思うし好きなんですが、自分は一度も勝ったことはありません!悲しい!

 シリーズ

・Dixit
・Dixit2(拡張カードのみ)
・Dixit3(拡張カードのみ)
・Dixit Odyssey
・Dixit:Origins(4)(拡張カードのみ)
・Dixit:Daydreams(5)(拡張カードのみ)
・Dixit:Memories(6)(拡張カードのみ)
・Dixit:Revelations(7)(拡張カードのみ)
・Dixit:Harmonies(8)(拡張カードのみ)
※20180517追記

現在主に上記が流通していますが、投票ツールや得点ボードが同梱されているのはDixitとDixit Odysseyのみであり、さらに無印のDixitの投票ツールや得点ボードはあまり評判がよろしくないため、最初に買う1品としてはDixit Odysseyが望ましいでしょう。(ただ2014/07/21現在、日本アマゾンでは残念ながら品切れにより高騰中の模様。。) また、Dixitだと3人~6人までしか遊べませんが、Dixit Odysseyだと3人~12人とプレイ可能人数が大幅に増えているのもメリットです。 所持している3,4,Odysseyの3シリーズの個人的所感を述べるならば、Odysseyは少々ネガティブなイメージの絵が多く、作風は同シリーズ内でも幅広いように感じます。3はそれに比べて若干メルヘンチックなものと不気味なものが混ざってきておりイメージの振り幅が激しい印象。4は3から不気味さを取り除いてメルヘンまっしぐらという印象を受けました。 いずれ1,2を購入した際には加筆します。

 

補足:カードスリーブ

カードの大きさが特殊であるためカードスリーブについてはピッタリのものがなかなか見つからず四苦八苦していたのですが、丁度良いものを見つけたので紹介しておきます。

装着感は以下のような感じ。ほんの少しだけカード上部がハミ出しますが、左右はかなりピッタリのため、スリーブのアソビが出来てそこが折れ曲がってガンが付くようなこともありません。

Dixit_03

補足:シリーズの区別

どのシリーズのカードも混ぜてプレイが可能ですが、 逆に言うと何の目印も無いため一度混ぜると区別がつかなくなります。 抽象的な絵といえど、シリーズによって作風の違いが見られたり、そのシリーズ内でないとお題が被りそうにないような若干の具体性を持ってしまっている絵もあるように感じるため、混ぜて遊ぶことも、シリーズそれぞれをまとめることも出来たほうが良いと考えました。

Dixit_02

そこでこのように、カードの右下部(もっとも絵柄に影響が無さそうな気がした)にスリーブの上から小さいカラーシールを貼って区別出来るようにしてみました。 写真は3→黄色、4→緑、Odyssey→白 といった具合です。(1と2は未所持) 束ねた時に少々膨らみますが、2シリーズ以上をまとめて1つの山札にするような事がなければ特に違和感はありませんでした。

補足:プレイ人数

公式のプレイ人数は3人~ となっていますが、非公式ながら2人で遊べるヴァリアントルールを見つけたので紹介しておきます。

ディクシット(Dixit)2人用ヴァリアント・ルール(協力ゲーム)の紹介

相性診断的なモノとしても遊べそうですね。