カクゼツ

一般大衆からは隔絶された面倒オタクの独り言。基本的にゲームのことばっかです。

Game of the Year 2017

昨年に引き続き、簡単な紹介や感想を添えつつ、今年プレイしたゲームの超個人的ランキングです。 あくまで自分が今年プレイしただけでありゲームの発売年は今年に限りません。 各タイトル部にリンクを用意しているので参考までに!

 

10位 どうぶつタワーバトル(iOS/Android)

世がどうぶつの森ポケットキャンプで賑わう中で彗星のように現れムーブメントを起こした、実力と知識がモノを言うe−sports。

1対1の対人戦で、どうぶつを回転させて交互に落とし合い、場外に1体でも落としてしまった方の負けという非常にシンプルなルール。たまに数分間の熱戦になる事もあるが基本的に1分かかるかどうかの短期決戦となるため、隙間時間で遊ぶのに最適。

5ゾウ巴投げ(修正済)、守りの2キリンなど回転ボタン押下数とどうぶつの名前を組み合わせた用語の側から見た意味不明さも良い味を出している。

 

9位 ゼノブレイド2 (NintendoSwitch)

バトル・演出・音楽がとにかく素晴らしい王道RPG

ゲームを進めるにつれて徐々に機能が増え、それらを活用することで優位に進める事が出来るバトルがとにかく面白い。 1にあった崩し→ダウン→気絶のコンボもドライバーコンボと名を変えて継承しており、それとは別に、アーツを使う事で溜まるゲージを消費して放つ必殺技を指定の属性順で放つ事でデバフをかけられるブレイドコンボ、そしてドライバーコンボとブレイドコンボを同時に進行する事でバフが発生するフュージョンコンボがある。バトル中はいかにしてそれらのコンボを決めるかを考え続けるという心地良い忙しさに追われる。チェインアタックは1より強力になっており、上手く準備すれば数百万ダメージを叩き出せるのは爽快。バトルBGMもバリエーション豊富で熱くなる曲ばかりで、その系統の曲が好きな人にはたまらないはず。

1のようなストーリーを期待すると99%裏切られる点は要注意だが、凝ったカメラワークの演出とシーンに合った音楽の秀逸さが脳を錯覚させてくるので、作中の設定矛盾とか伏線が伏線になっていないとかあんまり過ぎるご都合主義的展開などといった事を気にしない人なら普通に楽しめるはず。

可能な限り褒められる所を褒めたが、自分はストーリー中の展開にどうしても納得出来ない所があるというマイナスがあまりにも強すぎてコレクターズエディションを売却した。それでもこの場にランクインするくらいに良い所は突き抜けている。クリア済の方のみ推奨の感想はこちらから。

 

8位 Tokyo42 (Steam/PS4/XboxOne)

クォータービュー暗殺アクションゲーム。ゲーム内容としてはメタルギアソリッドに近いが、雰囲気は2Dの頃のグランド・セフト・オートも近からず遠からず。技術の進歩により人が死ななくなった未来のTokyoを舞台に、死なないはずの人を殺した罪の濡れ衣を着せられた主人公が裏社会の仕事をこなしながら真犯人を突き止めるべく奔走する。

裏社会の仕事を仕切る人物が「ニューババア」という名で3Dメガネなのようなものを身につけていてもうどこからツッコめばいいのかよくわからなかったり、そもそもTokyoの雰囲気も現代のアジア諸国のテイストが混ざりつつ高度化したような感じだったりと、世界観は「奇天烈」の一言に尽きる。

※ニューババアのご尊顔

 

メインストーリーはミッション形式。ひたすら殺して突っ走るも見つからないように殺すも殺さないも自由でプレースタイルの幅は広い。後半からいきなり難易度が急上昇するのでアクションの腕に自信がある人推奨。クリア後に難易度を下げるパッチが当てられたそうなので、現状がどの程度の難易度かは把握していないが…。

アクションの腕に自信がある人は是非遊んでみてほしい。

 

7位 OneShot (Steam)

崩壊に向かいつつある異世界の太陽を取り戻すため、主人公のニコと共に旅をするパズルアドベンチャーゲーム

このゲームの最大の魅力は「メタ」である。プレイヤーはニコを操作することになるのだがそれはニコをロールプレイするわけではなく、ゲームの世界から見た「神様」として、ニコやゲーム自体と干渉していくことになる。その都合上、コンシューマ機に移植されることはまず無いと思われる。このゲームでしか出来ない体験がある事を保障するので、とりあえずネタバレ一切無しでまずは遊んでみてほしい。

パズルと言ってもそんなに悩ませられるようなものは出てこず、難易度は低いので心配無用。

 

6位 いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス (NintendoSwitch)

キャラを切って形を変えて、ステージごとに異なるお題の達成を目指すコミュニケーションパズルゲーム。お題はシンプルに切り取って同じ形にするものから、オブジェクトを運んだり、一定時間特定箇所にキープしたりと様々。

あーしようこーしようと話し合いながらお互いを切ったり戻したり、コミュニケーションを取りつつのトライアンドエラーボードゲーム等で盛り上がるのと雰囲気が近い。

1人でも遊べるが2〜4人で遊ぶ方が圧倒的に楽しいので、そういった機会があるなら絶対に買った方が良い。プラスはステージやモードが増えておりパッケージ版もあるので買うならそちらで。

 

5位 2064: Read Only Memories (Steam/PS4)

人間が機械や他の生物の遺伝子を身体に取り込むことが可能となり、自らの意思で「ハイブリッド」となることも可能となった近未来。一方でそのような進化に対して警鐘を鳴らす組織も台頭し、時代は混迷を迎えている。2064年12月、初めて世に生み出された自律思考AIのチューリングがジャーナリストである主人公の元を訪れ、友である開発者ヘイデンが何らかの事件に巻き込まれた事を告げる。主人公とチューリングはネオ・サンフランシスコに渦巻く陰謀へと足を踏み入れていく…。

スナッチャー等を彷彿させるサイバーパンク・レトロ・クリックアドベンチャーゲーム逆転裁判の探偵パートとか言った方がわかりやすい人も多いか。

流れとしてはマップから移動地点を選び、移動した先で人物と会話したりオブジェクトにアイテムを使用したりを繰り返す形になるが、時折ミニゲームとしてパズルが差し込まれる事も。近未来サイバーパンクにありがちなディストピア感は無く、キャラクター皆悩みを抱えながらもその時代を前向きに生きているのが良い。

人間の定義とは一体なんなのか。AIが人間並みの頭脳と感情を手に入れてもそれは人間ではないのか?機械に人間の脳を移植したら?機械や他生物を取り込んだら?超えてはいけない一線はあるのか、どこなのか?

そういったトランスヒューマニズムに関する問題提起・示唆も含まれた深みある一作。

また、時を同じくして別の会社が開発したVA-11 Hall-A(ヴァルハラ)というゲームと世界を同一のものとしており、そちらのゲームをプレイ済みだと更に楽しめるような要素も盛り込まれている。

 

4位 ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 (PS4/PSVita/Steam)

ダンガンロンパシリーズの集大成と言える一作。

正直な所、ゲームシステム自体の面白さは1の時点でほぼ完成しており、マイナーチェンジを繰り返しているだけという印象は拭いきれない。新しく追加された裁判中のミニゲームもどれも決して出来が良いとは言えるものではなく、酷いものはゲーム性が崩壊していてストレスになるものすらある。

それでもそういったマイナス要素を軽々と凌駕する魅力が、本作含めこのシリーズには存在している。

1はゲームシステム自体の斬新さとストーリーや得体の知れない世界観からくる期待、2はキャラクターの抜群の異常性とそこから生まれる展開が魅力だった。V3は「他のキャラを前に霞むことなくほぼ全キャラが魅力的であること」と「“嘘“をテーマとした怒涛のストーリー展開」が圧倒的な輝きを放っている。

残念ながらこれ以上語ると何を言ってもネタバレになってしまうので、1、ゼロ(小説)、2、V3の順で体験してくれとしか言えないのが心苦しい。今なら12V3全てSteamでも遊べるし、セール中ならお値段も安めになっている。

ダンガンロンパシリーズ自体に大いに影響を与える一作故に賛否も分かれているが、個人的にはシリーズ最大の打上げ花火を見させてもらったという思いで一杯になった。

今年も重ね重ね申し上げますが、アニメ ダンガンロンパ3はクソです。

 

3位 Cuphead (Steam/XboxOne)

ステージクリア型ボス戦多め難易度高めのアクションゲーム。

カートゥーンへの思いが詰まった圧倒的な手書きのグラフィック、1つのアクションゲームに用意するには過剰とも言えるくらいの曲数が収録されており「何の映画のサントラですか?」と勘違いしかねないハイクオリティな正統派JazzBGM。いずれも正気と思えぬこだわりが感じられ、開発に7年かかったらしいがそりゃそうだろう…と納得せざるを得ない。

カートゥーンには明るくないので、なんかトムとジェリーリスペクトっぽいものが出てきたな、という事があった程度だったが、詳しい人ならきっとニヤリとさせられるような要素が山ほどあるものと思われる。

ゲーム内容はボス戦7割横スクロール3割といった所。正直横スクロールは蛇足だった感が否めないがボス戦が楽しいのでまあ我慢出来る範囲内。ボス戦はひたすらトライアンドエラーで初見殺しを理解しながら進めていく。ボスの形態が変わるのがそのステージの何割なのか、今回はどれくらいまでいけたのかがリトライ時に可視化される親切設計。各ステージで最高ランクを取るためにはノーダメージ(もしくはライフ増加アイテムを装備して1ダメージ)が条件となるのでやり応え充分。難易度は最初2段階あるがRegularでやらないとラスボスに挑めない罠があるらしいので要注意。クリア後に追加されるExpertは高難易度中毒者も納得の仕上がり。

日本語版はローカライズが予定されているもののまだ出ていない。だがストーリーはこのゲームにおいてさほどウェイトを占めないし絵の雰囲気でなんとなくわかる所も多いので、高難易度アクションが好きなら直ちに買って遊ぼう。(2017/12時点)今ならウインターセール中でちょっと安い。

 

1位 ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド (NintendoSwitch/WiiU)

最後に挙げる2作品の順位に序列をつけられないのはもう許して欲しい。

 

全人類が遊ぶべきゲームその1。

広大な大地を縦横無尽に旅するオープンワールドへと姿を変えた、ゼルダの伝説シリーズ最新作にして最高傑作。

開発者がオープンエアーと表現したのも頷ける、天候や環境の変化で空気感までも感じられる世界がそこには広がっている。この非日常的世界への没入感の凄まじさは、我が家で「ハイラルセラピー」と呼んでいるくらい。目的地に崖を登って向かっても良いし、馬に乗って平地を迂回しても良いし、そもそも目的地に向かわずずっと寄り道してたって良い。メインストーリーを全く追わずにラスボスを倒しに行くことだってできる。

※最近の弊ハイラルのリンクさんのご様子

 

ゼルダの当たり前を見直した」という言葉に嘘偽りは無い。最初の数時間で重要アイテムは全て手に入り、それを駆使してあとは行きたい所に好きなように行けば良いというデザインは、神々のトライフォース2がやや近いものの、これまでのゼルダの伝説とは明らかに一線を画している。それでもこれがゼルダの伝説だと感じることができるのは、タイトルロゴにも表れているように、この作品は「現代の技術でやりたいことを全て詰め込んだ“初代ゼルダの伝説”」だとも言えるからだと思う。

ストーリーはシリーズ中でも最も薄味な部類。大きな時の流れの中から要所を切り取って見せる手法で展開するそれは物量こそ少ないが想像の余地が多分に残されており、退廃的な世界観とマッチしているように感じられる。そしてそういった手法からは設定矛盾が生まれにくいのもあり個人的には賞賛に値する出来。重厚なストーリーを期待した人は肩透かしを食らうだろうが、そもそもゼルダの伝説にそれを求めるか?という話でもある。

敵の種類が少なく段々目新しさが無くなってくるのだけが残念な点。これは前述のように初代ゼルダの伝説モチーフだから…と思いたい所だが、色違いを抜きにして種類で考えると初代ゼルダの伝説のほうが敵の種類は多いかもしれない。(厳密に数えたわけでは無く体感です)

百聞は一見にしかず。広大な世界を旅してみたいという思いが少しでもあるなら、Switch本体と一緒に購入してもお釣りがくるくらいの体験が待っている。

 

1位 スーパーマリオ オデッセイ (NintendoSwitch)

全人類が遊ぶべきゲームその2。

ゼルダが「楽しみ方をプレイヤーに委ねた広大な遊び場」ならば、 マリオは「ガイドが充実した旅モチーフの巨大テーマパーク」と言える。

残機システムが撤廃されミス時のペナルティは10コイン減らされるだけ、0コインになっても問題なしと実質ミスし放題になった事で、3Dマリオのやや複雑な操作性というハードルは相対的に下がっており、アクションゲームが得意でない人でもトライアンドエラーで楽しめるはず。

反面これまでのマリオをずっと遊んできた熟練プレイヤーにとって難易度が物足りないかもしれないが、様々な国と用意された数々のギミックはマリオサンシャイン以来の箱庭マリオと銘打っただけある出来映えだし、作中の随所でこれまでのシリーズ作品を彷彿させる懐古要素が散りばめられている小粋なファンサービスもあり、難易度以外の側面での楽しみは充分に用意されていると言える。

ボーカル入りテーマソングの採用などこれまでのマリオでは考えられなかったような演出も多々。ゲームスタートしてからエンディングを見るまで(あるいは見終わっても)飽きさせず、グイグイと惹き込んでくる。3Dマリオのみならず、これまでの全てのマリオが築いてきたハードルを軽々と飛び越えたシリーズ最高傑作。

スクリーンショットコンテストの「ベストショットでっせい」や「オデッセイでっせい」といった極寒ギャグには失笑するしかないのだけがツライ…。

 

総評

2017年はコンシューマ・Steam・スマホゲー等諸々込で50以上のゲームを遊びました。

その中で特に感じたのは、Steamでもプレイできるコンシューマゲームの増加、逆にSteamからのコンシューマ機への移植などから来るゲームプラットフォームのボーダーレス化の序章とも言えるような潮流。特に近年Steam発のインディーズゲームの隆盛はその勢いをますます増しており、前から遊びたかったゲームがSwitchに移植された事で移動時にも遊べる恩恵を受けたというのは個人的にも実感したことです。

また言わずもがなのNintendo Switch Yearでした。こんなに売れるなんて一体誰が想像してたでしょうか。Switchのゲームの紹介に期待してこの記事を読んでくれてるとしたら、とりあえずここに書いてあるゲームは全部やってください。(ゼノブレイド2はどっちでもいいです) 移植含めダウンロードゲームも充実してきているし、WiiUの頃のソフトラインナップの過疎っぷりが嘘みたいで任天堂信者としては本当に嬉しい限り。

来年もレビュー記事なんて書いてる時間が勿体無い!と思わせてくれるような1年になってほしいものです。